紅色に染まったチーク②
前回までのあらすじ。
たえ子を即った俺はたえ子を部屋に残し、S師さんたちの部屋へ向かった。
ドアを開け、中を覗くと。
おいおい、マジかよおっちゃん。
そこには右手で手マンをし、左手でナニをしごいている、チングダと戦い続けているS師さんが。
心なしか、いつもより背中が小さく見えた。
切ない。
ー
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というのは嘘で、そこには服を着たままソファーで抱き合っている二人の姿があった。
音楽を流している。
照明も調節してあり、雰囲気づくりが徹底してあった。
でもなんでインターホンに気づかなかったんだろ。
ベッドが乱れていない。
まだ即ってなさそうだな。
ドアを閉め、S師さんにLINEしてみる。
しばらくしてから返事が来た。
やはりまだ即っていない。
どうしよう。
このまま待つ?
いや一旦戻るか。
そのときだった。
ズン
ズン
ズン
バン!!!
「うちのことほったらかして三人で何してんのよ!!!!!!」
たえ子降臨。
説明したのに。
目が点のS師さん。
怯えるよしえ。
俺「あ、めっちゃ良い雰囲気だ!!」
様子見に来ただけ、と苦し紛れに言い訳をかまし、たえ子とともに玄関まで退室。
やらかした。S師さん申し訳ない。
ご立腹のたえ子。
どうしよう。
冷静な判断ができぬまま、何を思ったか俺はたえ子とともに暗闇のバスルームへ。
俺「戻るのめんどいし、ここで待ってよ。」
ガチャ。
ぱち。
見つかる。
よしえ「え、ずっとここにいたの.....」
怖がっている。
最悪だ。
言い逃れしようもない。
とりあえず自分の部屋へ戻った。
酔いもあり、焦りを抑えられない俺。
そのままたえ子と話す。
30分ぐらい経った後。
俺「ちょっと様子見てくるわ」とリトライ。
内側のドアで聞き耳を立てる。
何やら喘ぎ声っぽい。
もう少しか。
そのときだった。
ズン
ズン
ズン
バン!!!
たえ子「ひとりにしないでよ!!!!!!」
ただの寂しがり。
入れる一歩手前のS師さんと悲鳴を上げるよしえ。
形が良く、綺麗な艶をしたよしえの尻を見た俺は、そこで諦めることができなかった。
しかしもう無理だろう。
悔しい。
いや大丈夫、きっとまだいけるはずだ。
さっきキスをしたじゃないか。
またたえ子と部屋に戻る。
しばらくしてS師さんから即報が来て、再度S師さんたちの部屋へ行き合流。
あの状況で即れるとは、さすがS師さん。
その後は4人で飲む流れになっていた。
S師さんもくるくるは諦めよう、と顔で訴えていた。
でも冷静になれなかった俺は何とか理由づけてセパろうと試みた。
忘れ物したから取りに行こ、と俺がよしえを誘っても、たえ子も行く、と一点張り。
デートのペアを変えようみたいなことを言って何とかセパ。
よしえと部屋へ向かう。
当然の鬼グダ。
部屋の隅に逃げられ、追いかけては逃げられる。
よしえがたえ子にLINEをしてしまう。
二秒後。
ドンドンドン!!!!
ちっ。来ちゃったか。
鍵を開ける。
たえ子。
そしてたえ子が俺の方に来る。
ん?
バチン!!!!!
乾いた音が部屋に響き渡る。
一瞬何が起こったかわからなかった。
紅色に染まったチーク。
後から来る、ヒリヒリとした激痛。
一気に酔いが覚めた俺はソファにへたり込む。
ああ、情けない。
その後はよく覚えていないが、S師さんが二人をなだめてくれたそう。
本当にご迷惑をお掛けしました。
はやる気持ちを抑えて、もっと冷静に行動していればくるくるできたのにな。
もったいねえ。本当にもったいねえ。
ー
ー
ー
ーーー
その後ニッカ下。
俺「それにしてもS師さん、あの状況でよく即りましたね。」
S師「ああ。楽しい雰囲気づくりをして、恋人を意識させたんだ。お前が乱入した後、食いつきが2度も0になったんで、また1から和み直したよ。」
そして言うが早いかチャリを漕いでいる女の子をクラウチングスタートで追いかけていくS師さん。
S師「シンデレラ見ませんでしたかー?」タタタタタタタタタ
次回こそはくるくるしてやる。
ありがとうございました。
おしまい